2025-04-09
ポケットサインのミニアプリを活用した官民連携による観光促進事例!
自治体DXの新たな形…宮城県のポイントラリーが成功した理由
風光明媚な景勝地を多く擁する宮城県ですが、冬季の観光閑散期における周遊の活性化が課題となっていました。そこで白羽の矢が立ったのが、ポケットサイン株式会社が提供するスマートフォン用スーパーアプリ「ポケットサイン」でした。ポケットサインの開発プラットフォームを活用してポイントラリーのミニアプリを開発し、参加者は想定のおよそ2倍に上りました。しかも、他社がポケットサインのミニアプリを開発する初めての試みでした。デジタル技術を活用した地域活性化が成果を上げた背景について、宮城県観光戦略課とミニアプリの開発を担った外部企業2社の各担当者さまにお話を伺いました。

宮城県観光戦略課 伊藤様(写真右)
株式会社ジェイアール東日本企画(jeki) 高橋様 (同左)
(取材・構成 ポケットサイン株式会社)
ワンユーザー・ワンアカウントでEBPMに弾み
ーー宮城県観光戦略課では、県内各地(35市町村)の観光施設やスキー場をスポットに設定し、スタンプラリー形式でポイントを獲得する「みやぎまるっとポイントラリー」を実施しました(2024年12月7日~2025年2月28日)。その狙いについて教えてください。
宮城県・伊藤様 まず、冬季はどうしても観光の閑散期になってしまうため、冬の宮城の魅力を再発見してほしいという思いがありました。周遊の促進という意味では、2023年度に県北部のローカル線である陸羽東線の沿線でスタンプラリーを実施したんですが、2024年度は県全域で取り組もうということになりました。県民の皆さんに県内を広く周遊していただくのが狙いでした。

ーーその手段としてポケットサインのミニアプリを活用することになり、株式会社ジェイアール東日本企画(jeki)さんに発注したわけですね(実際の開発は株式会社エーコードに委託)。どうしてミニアプリにしたのでしょうか。
宮城県・伊藤様 2023年度に実施した陸羽東線の沿線でスタンプラリー事業をめぐって、DXの一環でポケットサインのミニアプリを活用したんですが、そのミニアプリは御社(※ポケットサイン)が開発したものだったので、そのノウハウですとか、広告の知見・ノウハウを活用しようということになりました。
・参考:当社は宮城県と包括提携しており、スーパーアプリ「ポケットサイン」は同県内でのダウンロード数が65万回を突破しています。
jeki高橋様 今回、運用側(県観光戦略課)が見られるダッシュボードアナリティクスも作ったので、観光戦略課さまではリアルタイムで参加している人数や参加者の性別、場所などを把握できる状況でした。2023年度の陸羽東線スタンプラリー用に御社(※ポケットサイン)が開発したミニアプリにもダッシュボードは実装されていて、それが観光戦略課さまに好評だったので、今回も作ることにしたんです。

ーー今回のみやぎまるっとポイントラリーの参加者は、獲得したポイントで抽選に応募でき、当選者には宮城の特産品や地域限定商品券が贈られました。公費を投じるだけに、公平性が感じられる仕組みにするために色々留意されたのではないかと思います。
jeki高橋様 はい、二重応募などを防止するため、ワンユーザー・ワンアカウントを厳密に担保する必要がありました。その点、今回のミニアプリはマイナンバーカードのICチップに搭載された情報を利用するので、ワンユーザー・ワンアカウントが自ずと担保されるんですよ。ですので、例えばフリーメール(Gメール、Yahoo!メール等)とかを使って1人が無数にアカウントを作って参加するということは不可となります。ポケットサインのミニアプリの形にするのは、そこがまずメリットになります。
宮城県・伊藤様 情報の信用度が高いということですね。
jeki高橋様 そうです。(ミニアプリから回答する)アンケートでも、回答者の属性(年齢、性別、居住地域など)を正確に把握できます。他のアンケートだとこうはいきません。
ーーお二人とも鋭いですね。確かに、ポケットサインはマイナンバーカードの公的個人認証サービス(JPKI)機能を活用しているので、ポイントラリーのミニアプリでもワンユーザー・ワンアカウントを実現できるんです。では、今回得られたデータは次なる施策・事業にどのように活用していきますか。
宮城県・伊藤様 例えば、ポイントラリー参加者はどういう層(年齢、居住地域など)が中心だったかというデータを基に、今後の観光政策などの企画立案の参考にしたいと考えています。
jeki高橋様 国も基本的な方針としてEBPM(Evidence Based Policy Making = 合理的根拠に基づく政策立案)を強く意識しているので、信用度の高いデータに基づいて次年度以降の事業に活かしていかれるのは素晴らしいと思います。

アプリ起動者、参加者とも想定の2倍超
ーー実際にポケットサインのミニアプリでどのようにスタンプラリーを設計したのでしょうか。
jeki高橋様 宮城県は既にポケットサインで別の防災ミニアプリ(※「ポケットサイン防災」)を導入しているんですが、防災ミニアプリはどうしても有事の際に使うものなので、大本の「ポケットサイン」を県民の皆さんに日頃から使ってもらう普及促進が目指すべき方向性としてありました。そこで、観光戦略課さまでは、平時から使える楽しいミニアプリが企画されたと聞いています。やはり冬に出かける先はスキー場くらいに絞られてしまうんですよね。そこでスタンプラリーのミニアプリによって、各スポットに行く動機を作ることになり、弊社を採択していただきました。
県内全35市町村の観光施設やスキー場をスポットに設定し、各地にQRコードを載せたポスターを掲示して、参加者にポケットサインアプリから読み込んでもらう仕組みです。その場に行かないとポイントがもらえない仕様にしました。

(みやぎまるっとポイントラリーのミニアプリ画面)
ーー例えば、他人からポスターの写真を入手するなどして、現地に行かずにQRコードを読み取る〈裏技〉を封じるためですね。
jeki高橋様 そうです。位置情報とQRコード読み取りをリンクさせる仕様って、当たり前のようでそうではないんですよね。全てのスタンプラリー、ポイントラリーのアプリが対応できているわけではないので。さらに、スマホの位置情報は誤差があるので、スポットの半径何メートル以内であれば許容するといった補正もコーディングで対応しなければなりません。ポケットサインの開発プラットフォーム(PocketSign Link = ポケットサインリンク)はその辺りも容易にできたようです。
ーーポイントラリーは盛況だったんですよね。
宮城県・伊藤様 想定の2倍以上の参加がありました。
ーー第三者から見てポケットサインの今後の利活用の可能性についてはどう思われますか。
jeki高橋様 スマホにポケットサインさえインストールしてあれば、地域の情報が非常に円滑に伝わってきますよね。ポケットサインのホーム画面に様々な部署のミニアプリが並んでいるUIは、県庁が一体となって情報発信に取り組んでいる様子がアウトプットとして分かりやすいです。
それは県民にとって利用価値が高いアプリになると思うんですよ。すると、県側は県民を「顧客」と捉えると、いわばCRMとしても使えるのではないかと。この顧客(県民)の年齢と性別はこうで、どういう家族構成で、何に関心があるかといった情報があって、県が持っている情報のうち「これとこれを届けてあげればいいね」みたいな。そういう情報の届け方も、よりカスタマイズされていくと、情報の受け手にとっても有意義だと思いますし、県側にとっても届けるべき人にしっかりと届けられるのはよいことだと思います。
補助金や助成金でもそうです。県民一人ひとりに対象となる制度の情報が、DXの技術によって、県民が黙っていても届くというのはすごい便利だと思うんです。 それができるのがポケットサインですから。

「端的にすごい」開発プラットフォーム「PocketSign Link」
続いて、宮城県からミニアプリの開発を受注した株式会社ジェイアール東日本企画(jeki)と、jekiから再受託した株式会社エーコードの担当者さま2名へのインタビューです。

株式会社エーコード 梅津様(写真右)・福原様(同左)
ーーポケットサインはAPIを開放していて、サードパーティーのミニアプリを開発しやすいオープンプラットフォーム性が強みです。今回のポイントラリーのミニアプリは、外部の会社が開発し、「ポケットサイン」アプリとデータ連結・連携をした初めてのケースでした。
jeki高橋様 確かに、ポケットサインアプリはプラットフォーマーとしての「函(ハコ)」ですよね。御社としては函を堅牢なものにして、UIUXを良くしていくところにリソースをより注ぎたいのだろうなと推察しています。その開発プラットフォームでは一定のスキル・技術を持った企業であれば、できないことはないと思いました。ただ、少し敷居が高いと思われてしまっている面もあるので、敷居を下げれば事業者がどんどん参画してくるんじやないかと思います。
ーー当社の開発プラットフォーム(PocketSign Link = ポケットサインリンク)を使っていただいて、まず、どんなことで苦労しましたか。
エーコード福原様 キャッシュの問題にぶつかりました。倉本さんにサポートいただきましたが、様々な要因が考えられたので、何が原因か特定できずに、更新が確認できないことがあり苦労しました。
ーー率直なフィードバック、ありがとうございます。開発チームに申し送りし、改善につなげます。そうした面も含め、開発全体を通した感想はいかがでしたか。
エーコード梅津様 はい、ひと言で言うと「すごいな」でした。
ーーそんな、面映ゆいです(笑)
エーコード梅津様 いや、本当にそう思っていまして(笑)。例えば、ユーザーの情報を取るといったことが、もう一瞬でできてしまうので。こちら側から何か特に処理とかを書く必要がなくて、API連携ですぐにできてしまったので、非常にスムーズに進められました。
ーーその、ユーザーの情報を取るのが速いというのはけっこう大事なポイントなんですか。
エーコード梅津様 重要ですね。正確に言うとユーザー一人ひとりに割り振られたユニークなIDのことですが、ポイントの獲得やプレゼントの応募など、最初から最後までユニークなIDを使っているのですごく開発がやりやすかった。アプリではとても大事な要素ですね、IDは。
jeki高橋様 ここは重要です。ユニークIDで処理できるということは、エーコードさんからすれば個人情報を扱うことなく開発できるということなので。個人情報に触れることは、事業者によってはリスクでしかないですからね。個人情報を取り扱うとなると(セキュリティ体制の整備等で)コストが跳ね上がるといった問題がありますから。

ーーなるほど、開発事業者にとっては個人情報対応のリスクを前もって避けられますし、エンジニア的にも個人情報に配慮する工数がかからず、ユーザーに集中できたということですね。ところで、今回のようなスマホアプリの開発のご経験はありましたか。
エーコード福原様 普段はWeb開発がメインで、今回のように既存アプリの中にミニアプリを開発するというのは初めての経験でした。通常アプリ開発をする場合iPhoneやAndroidの仕様に合わせて勉強しなければならないんですが、今回はポケットサインのドキュメントを読み込むなどして、大きく苦労することはなかったです。

ーー通常のスマホアプリの開発に必要な勉強をしなくても、web開発のスキルでできたということですね。
エーコード福原様 ええ、ポケットサインさんのサポートが充実していて助かりました。Slackで何度も質問して、そのたびに倉本さんが親身になって色々と教えてくださいました。
ーー倉本も喜ぶと思います。他の特長はいかがでしたか。
エーコード福原様 JWT(JSON Web Token)による不正ログイン検出機能の実装がすごく簡単にできました。データの書き換えを検出する機能なんですが、初めて使ったんですけど、調べたらできました。
また、プッシュ通知が素晴らしいですね。プレゼントの抽選で当たった人に通知を送るという機能です。処理があるんですけど、こちらで特に何もしなくても、ユニークなIDを打ち込むだけで、その利用者にプッシュ通知が届くようになっていて。ミニアプリ上からそれが実装できるのは結構すごいですね。
jeki高橋様 どういうプッシュ通知にするかというところまで、エーコードさん側で決めて実装してもらいました。プラットフォーム側ではなく、クライアント(開発会社)も作業できる仕組みになっているところはすごく良いですよね。

ーー皆さん、どうもありがとうございました!
ポケットサイン導入の流れ
ポケットサインを活用した観光施策の導入は、以下のステップで進められます。
まず、自治体の抱える課題を整理し、ポケットサインの導入に適した活用方法を検討します。その後、開発企業を選定し、ミニアプリの設計と開発を進めます。アプリが完成したら、広報活動を通じて利用者を募り、運用を開始します。導入後は、参加データを分析し、次年度の施策に活用することが重要です。
※導入に関するお問い合わせは【こちら】
まとめ:自治体DXの新たな形
ポケットサインを活用したミニアプリの導入は、自治体主導のデジタル施策において新たな可能性を示しました。宮城県の成功事例は、他の自治体にも応用可能であり、地域活性化の手段として大きな注目を集めています。
「ミニアプリの活用で、地域活性化の選択肢が広がる」。今後もポケットサインの可能性は広がり続けるでしょう。
▶︎ポケットサインの活用を検討中の自治体担当者の方へ
「ポケットサインのミニアプリで、一歩先のDXを実現しませんか?」
お問い合わせはこちらから: https://pocketsign.co.jp/contact
