2025-11-07
職種を超えた協働で、防災DXを支える。「ポケットサイン防災」開発チームのリアルな働き方

ポケットサインが展開する自治体公式アプリ「ポケットサイン」では、公的個人認証サービスを活用し、自治体における行政や地域のサービスを1つにまとめて提供しています。
自治体が発行する地域ポイントでお買い物ができる「ポケットサイン地域ポイント」やまちで発見したインフラの異常を通報・管理できる「ポケットサインインフラ通報」など、暮らしに寄り添う約15種類の機能を、ミニアプリとして展開。それら1つひとつは、エンジニアやデザイナーなど職種を超えた協働によって生み出されています。
今回は、ミニアプリの1つである防災管理アプリ「ポケットサイン防災」の開発チームメンバーに登場いただき、普段の開発体制やプロジェクトの進め方など、開発チームの裏側についてお話を伺いました。
UI/UXデザイナー
酒井 太一さん
広告制作会社、広告代理店でのデザイナー・アートディレクターの経験を経て、2021年より事業会社にてUIUXデザイナーに転身、webアプリケーションリニューアルのデザインディレクションを担当。2024年9月よりポケットサイン株式会社に入社し、主要アプリのUIUXデザインを担当している。
エンジニア
田中 佑哉さん
業務委託として「ポケットサイン」アプリのサーバー開発に携わり、「ポケットサイン防災」「休日保育ミニアプリ」等の開発・運用にも従事。2025年4月にポケットサイン株式会社へ入社し、「ポケットサイン防災」を中心にミニアプリ開発・運用を担う。ISUCON10本選3位、11・14で作問担当。
カスタマーサクセス
本多 めぐみさん
大学卒業後は人事担当として新卒採用~中途採用、研修業務、管理業務に従事。その後医療系SaaS企業、医療機器企業にて営業~カスタマーサクセス業務を経験。現在はポケットサインのカスタマーサクセス部門にて、顧客の伴走サポートと利用拡大を担当している。
パーソナライズされた避難支援を実現する「ポケットサイン防災」
── まずは、「ポケットサイン防災」について教えてください。
田中 「ポケットサイン防災」は、マイナンバーカードの情報をもとに迅速かつ正確な避難支援をサポートするスマートフォンアプリです。住民の年齢や性別、住所などを通じた避難所指示のスマートフォン通知や、二次元コードの読み取りによる避難所へのチェックイン、アンケート機能を活用した避難所のニーズの可視化などの機能を搭載しています。
主な特徴は、一人ひとりにパーソナライズされた情報の共有です。マイナンバーカードの情報と連動しているので、住民の属性にあわせた適切な情報をお届けできます。

酒井 太一(UI/UXデザイナー)
酒井 自治体が閲覧する管理画面には、避難所の人数や避難者の属性、不足している物資などが表示されています。自治体の方々は、それらの情報をもとに、避難所の運営を効率化することが可能です。
── 「ポケットサイン防災」は、どのような経緯で誕生したのでしょうか?
酒井 原子力災害時の避難活動を想定としたアプリとして、2022年9月に宮城県と共同で、災害避難の実証実験を実施したことが始まりです。そこから機能をアップデートし、現在は災害発生時の避難支援を担うアプリとして多くの方に利用されています。
── みなさんの役割を簡単に教えてください。
田中 「ポケットサイン防災」開発チームのリーダーを担当しています。開発全般に携わっており、主に連携している開発会社への技術的な説明や、プロダクト開発の実装などを担っています。
酒井 UI/UXデザイナーとして、UIデザインのほか、ユーザーにより良い体験を届けられるよう、検証を重ねたUIの改善もしています。
本多 カスタマーサクセスとして、「ポケットサイン」の導入サポートから長期的な利用に向けたサポートまでお客様対応の全般を引き受けています。
── ポケットサイン防災における開発チームの体制を教えてください。
田中 エンジニア5名、デザイナー1名、PM1名の体制です。アジャイル開発を取り入れており、週ごとに開発すべき機能を洗い出して、優先順位をつけて開発しています。
本多 カスタマーサクセスは、カスタマーサクセスチームに所属し、お客様との直接的なやり取りを担当しています。開発チームとの関わりとしては、お客様からいただいた意見を共有することで、開発に反映してもらっています。
住民を支える防災支援アプリとして、堅実な開発を担う

田中 佑哉(エンジニア)
── 普段どのようにプロジェクトを推進されているのでしょうか?
田中 「こういうことができたらいいよね」「こういう機能が欲しいよね」といったチームメンバーの声を起点に、開発の議論がスタートします。チーム内で同意が得られたら、要件や仕様をエンジニアが作成し、それらをもとにさらなる議論を実施。その後、開発やデザインに着手しています。
酒井 ポケットサイン防災は、デジタル庁が公開している「デジタル地方創生サービスカタログ」に掲載されています。
このカタログに掲載され続けるためには、デジタル庁から共有された防災の仕様書に書かれた要件を満たしながら開発していく必要がある。開発の優先度や意思決定も仕様書に基づいており、その中でも緊急かつ重要度の高いものから順番に開発しています。
仕様書に書かれている要件以外にも、お客様からいただいた要望や機能の不具合など緊急度の高い開発があればチーム内で議論して意思決定できるよう、システマチックに管理しています。そのため、メンバー同士で優先順位や重要度に関する認識のズレが起こることは比較的少ないですね。
── 日々のコミュニケーションの取り方は?
田中 基本的にはコミュニケーションツール上でやりとりをすることが多く、必要に応じてビデオ通話を利用しています。ドキュメントも活用しており、残しておきたい情報や仕様、デザインの情報はすべてドキュメントツール上で管理しています。

本多 めぐみ(カスタマーサクセス)
本多 ポケットサインでは、コミュニケーションツール上でのやりとりがほとんどオープンになっているので、ビジネスサイドが開発メンバーのやり取りを確認することができますし、その逆もまたしかりです。積極的に情報をキャッチアップでき、ご自身の学びや成長にもつながりやすいと思います。
── ポケットサインでは、基本的にみなさんリモートで働かれていると思いますが、緊急時などコミュニケーションで困ることはありませんか?
酒井 コミュニケーションツール上で緊急の連絡を送ると、みんなが反応してくれるので、問題解決はスピーディーですね。オンライン上でのコミュニケーションであっても、密度の濃い議論ができていると感じています。
── 定例の頻度は?
田中 定例は、週3回です。30分のショートミーティングのほか、週に1回は、1時間のロングミーティングを実施しています。そこでは、開発に関する簡単な振り返りなどもしていますね。
また、不定期でプロジェクトの振り返りだけを行うミーティングも設けていて、長期的に取り組むべきことや定例の進行に関する見直しを図っています。
── 意思決定は、どのように行われているのでしょうか?
田中 発言者の立場に関係なく、フラットに決められています。ただ、開発リソースが限られているので、基本的には自治体や住民など私たちのプロダクトを利用されるお客様がより便利にお使いいただけるものから順番に対応するようにしています。
── お客様を意識した例として、どのような実装をされたことがありますか?
酒井 お客様が利用する機能の名前変更です。
避難した人のご家族や同居している方を一元管理できる機能があるのですが、もともとは「大切な人」という名前をつけていました。ただ、ご近所でお世話になっているおばあちゃんのような方を含みづらいことから、もう少し幅広く登録いただけるよう「みまもりリスト」という名前に変更したんです。
そういった住民や自治体の声をもとに反映している機能も多くあります。
── プロジェクトを円滑に進めるために意識していることがあれば教えてください。
酒井 チーム内で信頼を築くことですね。基本的に、意思決定を間違えたり、迷ったりする時は、判断すべき前提情報が足りてないことが背景にあると思います。「どうしてこの意思決定をしたのか」という傾聴の姿勢はかなり大事にしていますね。
また、チーム内で解決できなければCEOの梅本さんの指示を仰ぐことも徹底するようにしています。
本多 開発チームのリソースを踏まえた、お客様対応の依頼です。
開発チームの皆さんは優秀で、お客様の多様なご要望にも臨機応変に対応してくれます。ただ、リソースは限られているので、ポケットサイン防災の軸はぶらすことなく、受け入れる範囲をしっかりとすり合わせしていくことは大事です。私たちの方でも、無理そうな気配を感じたら、早めにお客様にお伝えするようにしています。
酒井 これまではスピードを重視して開発に取り組んでいましたが、2024年からは品質の安定にもこだわるために社内体制を整えています。1つひとつの作業に対して完了定義を明確化し、品質管理を徹底しています。
成長中のプロダクトに携わりたい方、一緒に働きましょう!

── これから取り組んでいきたいことを教えてください。
田中 ポケットサイン防災は、まだまだ発展中のプロダクトです。既存プロダクトとも連携しているのですが、ポケットサイン防災の仕様の追加や変更が頻繁に行われるたびに仕様の矛盾を事前に洗い出し、回避していく必要があります。すべてを洗い出す仕組みがまだ整っていないので、効率よく洗い出せるようにしたいです。
また、車中泊の方など、避難所で物資を受け取りに来るけれど避難所にはいない方に対しても支援の手が行き届くようなプロダクトを目指していきます。
酒井 今後は、ユーザーインタビューなど実際のユースケースをもとにお客様の体験をより良くしていきたいです。
お年寄りの方や障害をお持ちの方が「ポケットサイン防災」の機能をスムーズに利用できることは、とても大事です。誰もが不自由なく使えるように、現在ブラッシュアップしています。
本多 ポケットサイン防災には、市町村や都道府県など自治体の方が利用する管理画面をご用意しています。市町村では、住民の方にとって便利な機能やデザインの強化が求められる一方で、都道府県では各市町村の避難情報を一元管理し、分析したいというニーズがあります。市町村と都道府県で求めている機能が異なるため、今後は幅広く意見を収集しながら改善していく必要があると考えています。
ゆくゆくは、複数の自治体で情報を連携したり、協力し合ったりできる仕組みも構築していきたいです。
── どんな人と一緒に働きたいですか?
田中 プロダクトをより良くするために、一緒に議論できる方です。自分の意見を持ちながらも、他の方の意見も柔軟に受け入れられると働きやすいと思います。
酒井 UXデザインは、どこまで突き詰めても正解はありません。お客様からの多様な要望に対して謙虚に受け止め、改善していける方だとポケットサインにフィットすると思います。
── 最後に、一言メッセージをお願いします。
田中 防災領域でのアプリ開発は、災害時にインターネットが通じるかわからないなど不確実なことだらけです。ハードなことも多いかと思いますが、成長中の「ポケットサイン防災」を自治体や住民とともに作り込んでいくことに興味のある方は、ぜひご応募ください。
酒井 防災領域でプロダクトを提供することはかなり難しいものですが、人の命を守る重要な役割を果たすと信じています。そこに対する使命感や、やりがいを感じていただけたら、ぜひ来ていただけると嬉しいです。
本多 ポケットサインは、社員一人ひとりがプロフェッショナルですし、皆さん密に協力しながら働いています。ビジネスチームや開発チームなど職種に固執せず、自治体や住民の方々も含めてプロダクトを育てていくチームのような形で一緒に働いてみたい方をお待ちしております。
