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物価高対策の交付金|紙発行ではなくデジタル給付のメリットは 

2025-12-18

物価高が止まりません。円安の進行と相まって、食料品をはじめとする生活必需品の値上げが続いています。その半面、国民の実質賃金は伸び悩んでおり、政府は経済対策として国民に給付金を配布する方針です(重点支援地方交付金の拡充)。しかし、政府が地方自治体に推奨する「プレミアム商品券」や「おこめ券」は、自治体の事務負担が非常に大きく、印刷コストなどの経費も高くつきます。なおかつ政府は各自治体に年内の予算化と速やかな執行を求めており、対応に苦慮する自治体も少なくないのではないでしょうか。実際、おこめ券の発行を見送る自治体が相次いでいます。本記事では、職員の疲弊を防ぎ、確実に住民へ支援を届けるデジタル給付という方法について考えてみます。

目次

「紙の給付」に疲弊する自治体

「事務コスト」という見えない予算

生活必需品の物価高が止まりません。帝国データバンクの調査によると、2025年の飲料・食料品の値上げは合計2万609品目となりました。2024年実績(1万2520品目)を64.6%も上回り、2023年(3万2396品目)以来、2年ぶりに2万品目を超えました。

2023年といえば、ロシアによるウクライナ侵攻から1年が経ち、世界的な原材料高と円安が定着してしまった年です。それから2年が経過しても物価上昇が収まらないということになります。

・参考:「食品主要195社」価格改定動向調査_2025年12月/2026年(帝国データバンク、2025年11月28日公開レポート)

実際、変動の大きい生鮮食品を除く総合物価指数は、2020年を100とした指数で2025年10月に112.8まで上がりました。

・参考:消費者物価指数_全国2025年(令和7年)10月分(総務省、2025年11月21日発表)

このため政府は国民向けの給付に乗り出します。11月21日に閣議決定した経済対策で、地方自治体が自由に使い道を決めることができる「重点支援地方交付金」を2兆円分確保しました。そのうえで、推奨メニューとしてプレミアム商品券やおこめ券などを提示しました。

その後、高市早苗首相は全国都道府県知事会議で、交付金について「可能な限り年内での予算化と速やかな執行に向けた準備を進めるよう協力をお願いする」と要請しました。

・参考:地方交付金の「事務コスト問題」再燃 物価高対策、自治体経由で剝落(日経電子版2025年11月30日)

しかし、プレミアム商品券を住民に配るには途方もないコストと事務作業を要します。作業負担は自治体職員にのしかかり、配布にかかるコストは交付金の中から支出され、2兆円すべてが国民には届きません。

具体的には、印刷費、封筒代、そして郵送費がかかります。さらに、問い合わせ対応のコールセンター設置といったコストも発生します。マンパワーが足りない中で、突発的な給付金事務に対応するために残業を重ねるという「人海戦術」はもはや限界を迎えているのではないでしょうか。

おこめ券発行に異議続々と

そうした中で、おこめ券を発行しないと明言する首長が相次いでいます。おこめ券はコメ卸で構成する業界団体(全国米穀販売事業共済協同組合)やJA全農が発行します。1枚500円で販売されますが、440円分のコメしか購入できず、差額の60円分は印刷経費や発行元の利益となります。

このため、多くの自治体が「おこめ券」の配布を見送る方針を明らかにしています。各紙で報道されているだけでも、大阪府交野市や箕面市、東京都中野区、江戸川区、福岡市、静岡市などが挙がっています。

福岡市や大阪市は、市内で使えるプレミアム商品券の発行に交付金を充てる方針です。ただ、プレミアム商品券も印刷費や郵送代がかかるという点で経費率が高いのはおこめ券と同じです。住民に低コストでスピーディーに給付を届ける方法は無いのかー。多くの自治体に共通する悩みと言えるでしょう。

仙台市がアプリで地域ポイント配布へ

そうした悩みを解決する手法で住民に給付を届けることを表明したのが仙台市でした。仙台市は12月1日、1ポイントを1円として利用できる地域ポイント・みやぎポイントを市民に3000円分配布すると表明しました。

みやぎポイント(愛称「みやポ」)は、宮城県が県内における消費拡大を通じた地域経済の活性化を目的として運用する公式デジタル地域ポイントです。スマートフォン用の県民公式アプリ「ポケットサイン」上のミニアプリで利用が可能で、県内のさまざまな店舗で通用します。

 ↑ 宮城県民公式アプリ・ポケットサインの概要図(宮城県HPより)

仙台市だけでなく、宮城県内の他の18市町村も同様に「ポケットサイン」を活用して住民にみやぎポイントを配布する予定です。いずれの市町村も政府の重点支援地方交付金を活用します。仙台市はいち早く約15.5億円の補正予算案を市議会に提出しました。

紙の券ではなく「ポケットサイン」を用いてデジタルで給付する今回の手法には、下記のようなメリットがあります。

  • 現金や商品券よりも素早く配布できる

  • 紙を印刷するコストと郵送代が不要で経費が半額以下になる

  • マイナンバーカードと連携しているため厳格に本人確認が可能

まずはスピード感です。仙台市の場合、政府の閣議決定からわずか10日で補正予算案を組んでしまいました。もしも紙の券であれば、印刷業者の選定や封入作業の積算だけで数週間を要したのではないでしょうか。

市は補正予算が成立した後の2026年1月には支給を開始する予定です。「ポケットサイン」というデジタル基盤があったことから経費の見積もりなどが速く済み、短期間での意思決定と実務構築が可能になったと言えるでしょう。

 ↑ 出典:みやぎポイント利用方法(宮城県HP)

また、住民が「ポケットサイン」を利用してみやぎポイントを受け取るには、アプリとマイナンバーカードを連携させる必要があります。この際、公的個人認証サービス(JPKI)*を活用した厳格な本人確認を行うため、二重給付や給付漏れが生じない仕組みになっている点もポイントです。

*公的個人認証サービス(JPKI = Japanese Public Key Infrastructure): マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を利用し、オンラインで利用者本人の認証や契約書等の文書が改ざんされていないことの確認を公的に認証する仕組みのことです。安全・確実かつ厳格な本人確認が手軽にできる点が特長です。
なお、JPKIを他者に提供するには、公的個人認証法に基づき主務大臣の認定を受けて「プラットフォーム事業者」になる必要があります。当社は2023年3月に民間事業者としては16 社目となるプラットフォーム事業者認定を取得しています。

なお、アプリに登録していない住民に対しては、水道料金を減免したり住民税非課税世帯に商品券を配布したりといった給付を併用することで、公平性を担保するようです。

子育て世帯への「ピンポイント給付」も正確に

今回の経済対策では、こども家庭庁によって子育て世帯への支援も行われます。具体的には、18歳以下の子どもを持つ家庭へ子ども1人あたり2万円の給付です。

この支援は、市町村が実施している児童手当の情報を基に、2026年3月頃までに通常の児童手当に上乗せされて支給される見通しです。

これを受けて、19歳以上の子ども(扶養する子)がいる世帯向けに地域ポイントを独自に配布することを検討する自治体もあります。このような給付を実施するには、基準日で年齢を区切って対象世帯を絞る作業が必要になります。

これについても「ポケットサイン」は力を発揮します。前述のとおり「ポケットサイン」はマイナンバーカードと連携するため、マイナンバーカードの基本4情報(氏名・住所・生年月日・性別)を本人の同意に基づいて取得します。これにより子育て世帯であることを厳格かつ簡便にオンラインで認証するのです。

このため、年齢や住所に基づいた給付対象者の判定が容易になります。さらに、親子のマイナンバーカード情報をひもづける機能を活用して親子判定を実施すれば、複雑な申請書類なしでスムーズに申請から給付までが完結します。

なお、当社は子育て世帯への支援をスムーズにする「ポケットサイン」上の新たなミニアプリ「ポケットサイン子育て支援」を開発しました。2025年11月から宮城県が運用を開始しています。

・参考:マイナンバーカードを活用した子育て支援アプリ「ポケットサイン子育て支援」を開発(2025年11月5日付当社プレスリリース)

ポケットサインなら「バラマキ」で終わらない

物価高対策の給付金は、一過性の「バラマキ」だと批判されることがあります。 しかし、デジタル給付を選択すれば、「自治体DX基盤の構築」という資産に変わります。

従来の手法では、給付が終われば何も残りません 。 それに対し、今回の重点支援地方交付金をきっかけに「ポケットサイン」のアプリ登録者を増やしておけば、その後に防災(避難所受付)やインフラ通報、健康ウォークなど、平時・災害時を問わず行政と住民とをつなぐプラットフォームの構築につながります。

・ポケットサイン防災の詳細はこちら:https://pocketsign.co.jp/service/miniapp/dis

今回の経済対策を、ただ大変な作業をこなすだけで終わるか、それとも将来にわたって事務負担を減らし続けるデジタル基盤を作るチャンスにするかで自治体の未来は大きく変わるのではないでしょうか。

「早く事業化したい」「事務負担を極限まで減らしたい」とお考えの自治体の皆様は、ぜひ一度、ポケットサインにご相談ください。職員の方々が本来の政策立案や住民サービスに注力できる環境づくりをサポートします。

DMP登録済みでスムーズな調達が可能

また、「ポケットサイン防災」は、デジタル庁が提供するDMP(デジタルマーケットプレイス)に登録されています。 これにより、導入を検討する自治体は、従来のような仕様書作成や入札といった煩雑な調達手続きを省略・簡素化し、スムーズに契約を進められるようになっています。

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当社ポケットサインは、マイナンバーカードの普及促進と活用拡大に注力しており、自治体や民間企業との積極的な協業・DXの支援を推進しています。

自治体の災害対策・避難所運営のDXでお悩みの際は、マイナンバーカードを活用した実践的なソリューションをご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

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マーケティングチーム

南 昇平

新聞記者、Saasスタートアップ広報を経て大手IT企業広報。マイナンバーカードやJPKIに関するニュースを分かりやすくお伝えします。

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会社概要

ポケットサイン株式会社は、次世代のデジタルプラットフォームをつくる企業です。
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