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バックグラウンドチェック最前線|経歴・職歴調査の最適解は 

2026-07-31

転職希望者(求職者)の経歴調査・職歴調査(バックグラウンドチェック)の導入が、さまざまな企業で広がっています。背景には、経歴詐称の露見による内定取り消しを容認した2025年の最高裁判断があります。学歴や前職での勤務態度、反社チェックなど調査項目は多岐にわたりますが、求人企業が特に重視し、転職者への影響も大きいのが「職歴・在籍」の確認でしょう。従来は前職への電話や郵送での問い合わせが基本で、応じてもらえる割合は5〜6割程度、結果が出るまで数日から1週間かかることも珍しくありませんでした。しかし、現在ではマイナンバーカードを活用することで公的データに基づいて数分で正確な職歴確認が可能になっているのです。

本記事ではバックグラウンドチェックの全体像を押さえたうえで、職歴・在籍確認の実務上の課題を整理し、公的データを使って数分で完了する新しい確認方法を紹介します。

目次

アクセンチュア判決がハードル下げる

2025年5月の最高裁判断が「新解釈」に

2025年5月に出たある最高裁判決が現在に至るまで企業関係者の注目を集めています。履歴書の経歴を偽ってコンサル大手アクセンチュアの内定を得た男性をめぐり、入社前に職歴の詐称が発覚したためアクセンチュアが内定を取り消したところ、男性が取り消しは無効と主張して同社を提訴したという訴訟です。

東京地裁、高裁とも男性は敗訴し、25年5月に最高裁が男性の上告を棄却して内定取り消しを認める判決が確定しました。

日経新聞の記事によると、地裁判決のポイントは次のようなものでした。

  • 男性は履歴書に個人事業主としてITソリューション業務に携わったなどと記載して内定を得た

  • ところが、会社側の前職調査で実際は2社に雇用されていて、雇い止めや解雇をめぐって弁護士を立てた法的紛争に発展していたことが発覚した

  • 判決は「原告(男性)は虚偽の申告で前職2社との紛争の存在を秘匿した。秘匿は故意による経歴詐称というべき不正義」と判断した

・参考:経歴詐称で内定取り消し認める判決 転職男性敗訴に見る司法の変化(日経電子版2025年10月24日公開)

企業による内定取り消しに対して日本の司法は高いハードルを設けて労働者側を守ってきました。このため、法曹やビジネスの世界において今回の判例は「新解釈」と捉えられているそうです。

採用する企業側はこれまで、履歴書や職務経歴書といった自己申告を信じるか、コストをかけて調査会社に頼るしか職歴を確かめる方法がありませんでした。後者がいわゆる「バックグラウンドチェック」であり、様々な事業者が経歴や職歴を調査する専門サービスを提供しています。

リファレンスチェックには限界も

前記の経歴調査・職歴調査(バックグラウンドチェック)とは別に、リファレンスチェックを取り入れている企業もあります。

リファレンスチェックは、候補者(求職者)自身に前々職や前職の元同僚を挙げてもらい、会社が元同僚に候補者の働きぶりや人となりを直接ヒアリングする方法です。ただ、候補者が挙げる元同僚は関係性が良好だった人に偏ることが避けられず、ポジティブな情報がメインに収集されます(稀に、候補者が一方的に「関係が良好だった」と信じ込んでいて、ネガティブな情報が集まるケースもありますが)。

ただ、転職が社会に定着してきた昨今、ポジティブ情報だけでは企業と人材のミスマッチを防止するには不十分なのも事実です。そこでバックグラウンドチェックとリファレンスチェックの両方を実施する企業もあります。

ただ、既存のバックグラウンドチェックも万能ではありません。前職関係者へのヒアリングや電話による調査がメインになりますが、全ての会社が在籍確認の照会に応じてくれるとは限らず、採用選考とは関係のない情報まで意図せず取得してしまうリスクも残ります。

AI台頭時代の採用選考のあり方は

加えて、近年すさまじい勢いで発達するAI(人工知能)が、企業の中途採用の風景を様変わりさせています。当社ポケットサインは2026年5月、企業の採用担当者約300人と求職者(候補者)約200人を対象に、候補者の経歴・職歴を確認する手段について調査した結果をまとめました。本章でその要点を紹介します。

「面接のみ」の企業は2割

まず、面接での質問によってのみ確認しているという企業は全体の2割にとどまりました。これに対し、経歴・職歴調査(バックグラウンドチェック)を利用している企業は22.3%、リファレンスチェックは27.0%ありました(下グラフ)。

また、学歴や資格の証明書、源泉徴収票・在籍証明書を提出させる企業の割合はそれぞれ32.7%、33.7%に上りました。つまり、数ある経歴・職歴確認の方法の中で、面接での質問のみで判断している企業は最も少数派ということです。

背景には生成AIの発達があります。AIが履歴書や経歴書を書き上げるのはもはや当たり前となり、果てはAIで加工したディープフェイク映像によって他人になりすまし、オンライン面接に臨むという“事件”も起きました。

・参考:国内で発生「AIなりすまし面談」被害の実態。取材で見えた“驚くほどカジュアルな手口”と潜在的リスク(BUSINESS INSIDER Japan、2026年3月19日公開)

本人確認と経歴確認の厳格かつ簡便な実施方法のニーズが高まっているのです。しかしながら、日本では欧米諸国のように公的データを照合(候補者本人の同意が前提)して経歴をチェックする仕組みがまだ確立していません。

そうした中、2026年に入り、日本でも公的データを活用した経歴・職歴確認(バックグラウンドチェック)が注目されています。

「公的データ」活用ニーズが顕在化

我が国での公的データを活用した経歴・職歴確認は、マイナンバーカードを利用して行います。マイナンバーカードといえば、ICチップに格納された電子証明書を用いる公的個人認証サービス(JPKI)*が民間事業者のサービスや行政サービスで普及していますが、これを本人の同意の下で経歴・職歴確認に活用できるのです(詳細は次章)。

*公的個人認証サービス(JPKI = Japanese Public Key Infrastructure):マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を利用し、オンラインで利用者本人の認証や契約書等の文書が改ざんされていないことを公的に認証する仕組みのこと。安全・確実かつ厳格な本人確認が手軽にできる点が特長

当社ポケットサインの調査では、マイナンバーカードを活用した経歴・職歴確認を採用プロセスに導入することに対し、採用候補者の「心理的な抵抗」を懸念する企業の割合は全体の19.0%にとどまりました。

候補者(求職者)側も総じて肯定的でした。下グラフは、公的データを活用した経歴・職歴確認サービスの経験の有無ごとに、候補者(全体でn=200)の同サービスに対する肯定度合いを整理したものです。

例えば、源泉徴収票の提出という形で経歴・職歴確認を求められた求職者は調査対象全体(200名)のうち33名いて、うち73%が公的データを活用した経歴・職歴確認サービスを「ぜひ利用したい」または「条件次第で利用したい」と回答したということです。

過去にいずれも経験したことがない人で見ると、公的データを活用した経歴・職歴確認を肯定する割合は42%でした。

これに対し、源泉徴収票の提出の経験者は前述のとおり73%が肯定的で、リファレンスチェック経験者に限ると77%に上昇し、バックグラウンドチェック経験者では82%に上りました。

つまり、仕組みが簡便であれば、採用側(企業)、候補者側ともに一定の需要があることが示されたわけです。

なお、今回の当社ポケットサインによる調査結果の詳細は、こちらのページの「資料請求(無料)」からご覧いただけます。

本人同意の下で公的データを取得

では、マイナンバーカードによる「公的データ」を活用した経歴・職歴確認の仕組みを解説していきます。

まず、公的データはデジタル庁が運営するマイナポータルAPIを利用して取得します。マイナポータルAPIとは、いわば行政システムと民間のサービスをつなぐための「接続口」です。

マイナポータルは、政府が運営する国民一人ひとり専用のオンライン窓口です。多くの方がスマートフォンアプリやWebサイトでアクセスしたことがあるのではないでしょうか。

・マイナポータル:https://myna.go.jp/

このマイナポータルに接続するAPIが整備されたことで、私たちが普段使っている民間のWebサービス(人事労務ソフト、健康管理アプリ、金融サービスなど)が、本人の同意の下でマイナポータルと連携できるようになりました。

・参考:マイナポータルAPIとは(デジタル庁)

マイナポータルAPIを活用すると、各個人は次のような自己情報を取得できます。

  • 自己情報(自己情報取得API)

    ・税・所得情報:住民税の課税情報など、公的に証明された所得情報
    雇用保険の加入履歴:客観的な「職歴」の証明となる情報
    年金情報:年金加入記録や将来の受給見込み額が分かる
    子ども・子育て:自治体の手続きに関連する情報

  • 医療保険情報(医療保険情報取得API)
    過去の診療情報、処方された薬剤情報、特定健診の結果、医療費通知情報などを取得し、健康管理アプリなどで一元管理できます

  • PMH情報(PMH情報連携API)

    予防接種の履歴や、乳幼児健診の結果などを取得できます

  • お知らせ情報および民間送達サービス保有情報(お知らせ情報取得・民間送達サービス保有情報取得API)

    ・行政から届く「お知らせ」を取得できます
    ・インターネット上の自分専用のポストである「民間送達サービス」に生命保険会社などから届いた控除証明書等をオンラインで取得することで、確定申告がスムーズになります

なお、これらのAPIを利用するためには、利用者がマイナポータルにおける利用者登録を完了している必要があります。医療保険情報取得APIとPMH情報連携APIの利用には、マイナポータルAPIにて提供している利用者登録等API*の併用が必須となっています。

*利用者登録等API:https://myna.go.jp/html/api/userregistration/index.html

もうお気づきでしょう。「公的データを活用した経歴・職歴確認」は、候補者本人が同意したうえで、自己情報取得APIで雇用保険の加入履歴や税・所得の情報を取得し、選考中の企業に提供するという仕組みになります。

これは、行政機関が保有する真正な情報ですから、候補者が虚偽の職歴や年収を企業に申告することはできません(今や源泉徴収票の偽造も容易な時代です)。候補者にとっても、前職の会社から在籍証明照会への回答の可否の確認が来たり源泉徴収票を提出したりといった手間、煩わしさから解放される利点があると言えるでしょう。

正確な経歴・職歴調査ならジョブトラスト

当社ポケットサインは、マイナポータルAPIを活用して企業が公的データからスピーディーに信頼できる職歴および年収に関する情報を取得(候補者の同意が前提)できる採用支援サービス「ジョブトラスト」の提供を2026年に開始しました。

・ジョブトラストの詳細はこちら

ジョブトラストを利用すると、企業は下記3つの確認を1つのプラットフォーム上で完結できるようになります(下図)。

※マイナンバー(個人情報)は取得しません。

公的データによる職歴や年収の確認と本人確認だけでなく、データベースに照会しての反社チェックと公開情報(SNS、メディア記事)からの情報収集をワンストップで行います。

これらから、ジョブトラストを導入すると、採用業務に付随する検証作業の手間と時間が大幅に省かれます(下図)。

また、公的データによる本人確認は公的個人認証サービス(JPKI)を活用しますが、ポケットサインはJPKIのプラットフォーム事業者*として主務大臣認定を取得済みです。

*プラットフォーム事業者(PF事業者):マイナンバーカード等の電子証明書の有効性確認機能を、民間事業者向けのサービスとして提供可能な民間事業者。公的個人認証法に基づき主務大臣の認定を受ける必要がある。当社は2023年3月に民間事業者としては16社目となる認定を受けた

また、ポケットサインは情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である ISO/IEC 27001(ISMS)、ISO/IEC 27017(クラウドセキュリティ)、ISO/IEC 27701(プライバシー情報管理)を取得済みです。企業や求職者の情報を安全に取り扱うための国際水準の体制を構築しています。

マイナンバーカード活用ならポケットサイン

以上みてきたとおり、マイナンバーカードは私たちの生活を便利にし、行政サービスや企業サービスがオンラインで円滑に普及するうえで大きなカギを握っています。民間事業者が自社アプリやWebサービスをマイナンバーカードに対応(JPKIなど)させることは急務と言えます。

本記事で取り上げた経歴調査・職歴調査についても、調査内容の正確さと企業・候補者双方のUI/UX改善にはマイナンバーカードの活用が必要不可欠です。

ただ、自社でマイナンバーカードの活用に対応したネイティブアプリを開発する場合、ICチップ読み取り機能の実装に加え、テスト用マイナンバーカードの手配や検証に多大な時間とリソースを要します。

そうした事業者のお役に立つのが、当社ポケットサインの「ジョブトラスト」なのです。採用にまつわる確認業務がワンストップで、数分で完結します。

・ジョブトラストの詳細はこちら:https://go.pocketsign.co.jp/full-check

マイナンバーカードの活用に際してはぜひ実績豊富な当社にご相談ください。

▼問い合わせはこちらから
https://pocketsign.co.jp/contact
▼ポケットサインについてはこちら
https://pocketsign.co.jp/

マイナンバーカードで、自社サービスの本人確認をより厳格に|資料配布中

本人確認の厳格化に向けた法改正が進むなか、鍵となるのが「公的個人認証」の活用です。

・不正申込・なりすましを防止したい
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このような課題をお持ちの方は、ぜひ資料をご覧ください。
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マーケティングチーム

南 昇平

新聞記者、Saasスタートアップ広報を経て大手IT企業広報。マイナンバーカードやJPKIに関するニュースを分かりやすくお伝えします。

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