2026年(令和8年)も1月が終わりに近づき、確定申告の時期が近づいてきました。今回の確定申告(2025年分の所得が対象)は、税制改正による控除額の大幅な変更と「手続きのデジタル化」という2つの大きな変化があります。具体的には、多くの納税者に関係する「基礎控除の引き上げ」や、iPhone(アイフォーン)だけで申告が完結するといった注目ポイントがあります。本記事では、開始が直近に迫った確定申告に関する重要なポイントを分かりやすくまとめました。目次税制改正:基礎控除が最大95万円にまずはスケジュールです。2026年(令和8年)の確定申告期間は、2月16日(月)から3月16日(月)までの1カ月間となっています。対象となるのは、2025年1月1日から12月31日までの所得です。ただ、還付申告のみの場合は2月15日(日)以前でも申告書の提出が可能です。なお、主に個人事業主が対象になりますが、期限後の申告になると青色申告特別控除が55万円(一定の要件を満たすと65万円)から10万円に減額されるほか、無申告加算税などを課される恐れがあるため、余裕を持った準備が必要です。「年収の壁」が103万円から160万円へ次に2025年度税制改正です。私たちの税負担に直結する基礎控除額が大きく見直されました。これまでの基礎控除額は一律48万円でしたが、2025年分と26年分は合計所得金額に応じて段階的に引き上げられます(下図の赤枠部分)。 具体的には、合計所得が132万円以下の場合、基礎控除はこれまでの約2倍となる95万円になります。給与所得控除も最低保障額が55万円から65万円へ引き上げられましたから、年収160万円までは所得税がかからなくなる計算です。つまり、「103万円の壁」が実質的に引き上げられたのです。パートやアルバイトで働く方にとっては、手取りが減らない上限ラインが上がるので朗報と言えます。↑ (国税庁・令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)より)また、所得額(年収)に応じて基礎控除額は徐々に減りますが、これまでの48万円よりは10万〜40万円引き上げられます。ただし、合計所得が2,350万円を超える高所得者は基礎控除が適用されません。学生の親は必見「特定親族特別控除」大学生世代の子を持つ親にも朗報があります。それが「特定親族特別控除」です。要点は次のとおりです。特定親族とは、居住者と生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下の者を指す配偶者や青色事業専従者として給与の支払を受ける人、白色事業専従者を除く(つまり実質的に子が該当)児童福祉法の規定により養育を委託されたいわゆる里子を含む特定親族をもつ居住者の総所得金額等から、特定親族1人につき、特定親族の合計所得金額に応じて所得が控除されるこれまでは子供のアルバイト収入が一定額を超えると親の扶養控除から外れてしまっていました。新制度では、子供の所得が58万円超123万円以下であれば、所得額に応じて段階的に特別控除(最大63万円)を受けられるようになります。なお、「所得が58万円超123万円以下」というのは、普通の大学生のアルバイトであれば給与所得に該当するケースが大半のため、収入額にすると「123万円超188万円以下」に相当します。ただ、特定親族特別控除の適用を受ける親は、給与の支払者に申告書を提出する必要があるので、忘れずにチェックしましょう。iPhoneだけで申告が完結申告手続きの面での最大の目玉は、マイナンバーカードを使わず、iPhoneだけでe-Taxでの申告ができるようになることでしょう。Android端末は一足先に2024年分の確定申告(25年実施)から利用可能となっていましたが、この26年実施の確定申告でいよいよiPhoneでも利用できるようになります。具体的には、これまでiPhoneからe-Taxにログインしたり電子証明をしたりする際は、マイナンバーカードをiPhone端末にかざしてICチップを読み取る必要がありました。しかし本年からはiPhoneでもスマホ用電子証明書の利用が可能になったため、マイナンバーカードの読み取りが不要となります。また、数字4桁の利用者証明用電子証明書パスワードの代わりに、スマホ端末の生体認証機能(Face IDやTouch ID)を利用することもできます。電子申告のハードルが一段と下がるのではないでしょうか。なお、iPhoneをマイナンバーカードとして利用するには、マイナポータルアプリを使ってAppleウォレットにマイナンバーカード機能を追加する必要があります。こうしたマイナンバーカードのiPhoneへの追加については、以下の別記事に詳しくまとめています。・参考記事:「iPhoneのマイナンバーカード」ついに提供開始|利活用ポイントは(2025年7月18日公開)「マイナポータル連携」で自動入力が拡大生保や損保の一時金・返戻金も前章で紹介したiPhone、Android端末を利用した確定申告のベースとなるのが「マイナポータル連携*」です。*マイナポータル連携:年末調整や確定申告の手続きにおいて、マイナポータル経由で、給与所得の源泉徴収票や、控除証明書等のデータを一括で取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力する機能。手入力する手間が省け、入力ミスも防ぐことができる(参考:国税庁・マイナポータル連携特設ページ)マイナンバーカードを使ってe-Taxとマイナポータルを事前に連携させることで、確定申告に必要なデータを取得でき、e-Taxサイトで申告書に自動入力できるのです。↑ マイナポータル連携のフロー図(マイナポータル「07確定申告の事前準備」より)マイナポータル連携で自動入力できるデータは次のとおりです。太字のものは、新たに2025年分の確定申告から対応するようになる情報です。【収入関係】給与所得の源泉徴収票公的年金等の源泉徴収票株式の特定口座年間取引報告書生命保険契約等の一時金・年金損害保険契約等の満期返戻金等・年金【控除関係】医療費(2021年9月以降の保険診療分)ふるさと納税ふるさと納税以外の一部の寄付金社会保険(国民年金保険料等)社会保険・地震保険iDeCo(個人型確定拠出年金)住宅ローン控除なお、控除証明書等のデータを取得するには、その発行主体(保険会社など)がマイナポータル連携に対応していることが前提となります。マイナポータル連携に対応している発行主体は国税庁のホームページ「マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧」で確認可能です。e-Tax送信でラクラク申告国税庁ウェブサイト内の特設ページ「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額や費目などを入力するだけでパソコンやスマートフォンで申告書が作成できます。また、マイナンバーカードを利用すれば作成した申告書をe-Taxにより送信(提出)できます。そして、前述のとおり、マイナンバーカードを追加したスマートフォン(iPhone、Android端末)があれば、マイナンバーカードをスマホで読み取らなくても、e-Taxへのログインや署名ができるようになったのです。給与所得者(サラリーマン)であっても、住宅ローン減税の初年度である場合や医療費控除を受ける時には確定申告が必要です(年末調整の対象外のため)。その点、マイナポータル連携を活用すれば、1年間の医療費通知情報(XMLデータ)が原則として2月9日から一括取得可能となり、簡単に申告書を作成できます(柔道整復療養費は自動入力対象外)。家族分のデータも、事前にマイナポータルで「代理人登録」を済ませておけばまとめて取得できるので、家族の保険料や医療費といったデータの入力時は大いに助かるでしょう。また、ふるさと納税の「寄付金控除に関する証明書」も電子発行されるので、入力の手間が省けます。マイナンバーカード活用ならポケットサイン以上みてきたとおり、確定申告におけるiPhone対応など、マイナンバーカードの活用シーンは急速に拡大しています。デジタル社会における本人確認の基盤として、私たちの生活をより便利にする原動力となっています。当社はそうしたマイナンバーカードの可能性を最大限に引き出し、誰もが安心してデジタル社会の恩恵を受けられるよう、公的個人認証サービス(JPKI)*への対応をはじめとした様々なサービスを開発・提供しています。 *公的個人認証サービス(JPKI = Japanese Public Key Infrastructure):マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を利用し、オンラインで利用者本人の認証や契約書等の文書が改ざんされていないことの確認を公的に認証する仕組みのこと。安全・確実かつ厳格な本人確認が手軽にできる点が特長JPKIは、デジタル社会における厳格かつ簡便な本人確認を可能にし、本人確認のUI/UXを向上させるほぼ唯一無二の方法です。そして、マイナンバーカードを使用せず、スマートフォンだけでJPKIが利用できる「スマホJPKI」サービスのニーズは今後ますます増していくでしょう。とはいえ、一般の事業者が自社サイトや自社アプリを自前でJPKIに対応させるには多大な開発リソース(投資額、時間、人工)がかかり、自社開発は現実的ではありません。そこで自社開発よりもはるかに容易にJPKIを導入できるようにするのが、当社ポケットサインのAPIサービス「PocketSign Verify(ポケットサイン・ベリファイ)」です(下図)。PocketSign Verifyでは証明書を用いたデジタル署名の検証を行うAPIと、マイナンバーカードと通信して署名の生成や証明書の吸い出しを行うSDK(ソフトウェア開発キット)を利用できます。・Pocketsign Verifyについて:https://pocketsign.co.jp/service/pocketsignplatform#verifyなお、JPKIを他者に提供するには、公的個人認証法に基づき主務大臣の認定を受けて「プラットフォーム事業者」になる必要があります。当社は2023年3月に民間事業者としては16 社目となるプラットフォーム事業者認定を取得しています。かつPocketSign Verifyは、マイナンバーカードを使わずにスマートフォンのみで公的個人認証サービス(JPKI)を利用できる「スマホJPKI」への対応を完了しています。・参考:PocketSign VerifyがiOSの「スマホJPKI」に対応(2025年6月24日付プレスリリース)そのほかにも、マイナンバーカードのご活用に関する事柄は、ぜひ実績豊富な当社にご相談ください。▼問い合わせはこちらからhttps://pocketsign.co.jp/contact▼ポケットサインについてはこちらhttps://pocketsign.co.jp/