デジタル認証アプリとマイナポータルアプリが今夏めど統合|メリットを徹底解説
2026-06-30
デジタル庁が公開している「デジタル認証アプリ」と「マイナポータルアプリ」が2026年夏頃に統合され、「マイナアプリ」として生まれ変わります。行政サービスの手続きや個人の情報を管理するマイナポータルアプリと、オンラインサービスにおいてマイナンバーカードを用いた公的個人認証サービス*をはじめとするオンライン本人確認(eKYC)や電子署名を可能にするデジタル認証アプリ。これらが1つのアプリに統合されることで、アプリを切り替える手間がなくなり、利用者・事業者双方にとって利便性が大きく向上すると期待されています。本記事では、両アプリの基本的な役割や仕組みを振り返りながら、統合によってどう便利になるのか、さらには事業者向けの最新導入事情までを分かりやすく解説します。
*公的個人認証サービス(JPKI = Japanese Public Key Infrastructure):マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を利用し、オンラインで利用者本人の認証や契約書等の文書が改ざんされていないことの確認を公的に認証する仕組みのこと。安全・確実かつ厳格な本人確認が手軽にできる点が特長。
・参考記事:デジタル庁が提供する「デジタル認証アプリ」とは? 導入メリット・注意点、活用事例を徹底解説(2024年9月18日公開、26年6月26日内容更新)

目次
「マイナポータルアプリ」とは
マイナポータルアプリとは、個人向け行政サービスのオンライン窓口「マイナポータル」をスマートフォンで利用するためのアプリです。マイナンバーカードを利用して、転居(引越し)やパスポートなどの手続き、医療費の確認などの行政サービスを利用できます。
マイナポータルアプリのログイン画面
(デジタル庁サイトより)
スマートフォンにアプリをインストールした後、利用者証明用暗証番号(4桁の数字)を入力し、マイナンバーカードをスマホにかざしてログインします(下図)。
(デジタル庁サイトより)
なお、スマートフォンにマイナンバーカードを搭載*している場合は、マイナンバーカードをかざすことなく、端末の顔認証や指紋認証などで本人確認をすればログインできるようになっています。
* 「iPhoneのマイナンバーカード」またはAndroidスマホ用電子証明書
私たちの生活のポータルサイト
マイナポータルとは、その名の通り私たちの生活に密着した手続きをしたり日常生活に必要な情報を取得したりするための自分自身のポータルサイトです。以下のようなことがオンラインで可能です。
引越し手続き
それまで住んでいた自治体への転出届の提出が来庁なしで済みます
新たに住む自治体にて転入届(転居届)提出のための来庁予定の申請ができます
パスポートの新規取得や更新
オンラインで取得・更新の申請ができます
※2026年7月1日申請分から手数料が値下げされます(例:10年旅券は15,900円→8,900円に)受け取りは窓口となります
確定申告の事前準備
マイナポータルと外部サイト(保険会社など)とを連携させることで、確定申告に必要な書類(控除証明書など)を一括取得できます
・参考:2026年の確定申告はこんなに変わる!iPhone、マイナポータル活用術を解説(2026年1月27日公開記事)
マイナポータルのPC版ログインページ
(引用:マイナポータル)
また、自身に関する様々な情報をいつでも確認できます。
健康保険証:健保の資格情報やマイナ保険証の登録状況など
医療費:保険診療にかかった金額(窓口負担額など)
薬の記録:医療機関や薬局で受け取った薬や過去の処方歴など
公金受け取り口座
年金の記録
・参照:マイナポータル 主なサービスと機能(デジタル庁)
このように、マイナポータルでは私たちの重要な個人情報を多く扱っているため、デジタル庁は厳重な安全管理を施しています。前述のとおりマイナンバーカードや、マイナンバーカード(マイナンバーカードの機能)を搭載したスマートフォンを本人確認に用いているのはその一例に過ぎません。
なお、マイナンバーカードのICチップのセキュリティの堅牢性については下記記事で詳説しています。
・マイナンバーカードのICチップ徹底解説! 本人確認が劇的に変わる!(2024年8月23日公開記事)
また、マイナポータルで確認できる情報はどこか1カ所に保管されているのではなく、それぞれの行政機関が個別に管理しているものです。つまり、ユーザーがマイナポータルを利用する時のみ、マイナポータルと各行政機関との間で必要な情報だけを送受信しているのです。
・参照:マイナポータル 安全な利用のご案内(デジタル庁)
「デジタル認証アプリ」とは
なりすましを防ぎ、安心・安全に本人確認
近年、地方自治体や国などの行政機関は行政サービスのオンライン化に注力しています。それに先駆けてEC(ネット通販)やマッチングアプリ、オンライン証券をはじめとして民間企業のオンラインサービスが多様化し、利用者も大きく増加してきました。
その際の本人確認の方法としては長らく、身分証の画像とセルフィー(自撮り画像)の送信が採用されてきました。しかしデジタル技術の進化に伴って本人確認書類の偽造精度が上がり、なりすましや不正アクセスなどのサイバー犯罪が増加しているのも事実です。このため、消費者が安心・安全にWebサービス(オンラインサービス)を利用できるための本人確認の普及が急務となっているのです。
他方、マイナンバーカードの普及率(人口に対する保有割合)は2026年5月末時点で83.1%まで上昇しており、マイナンバーカードを活用したJPKIをはじめとするeKYC(オンライン本人確認)が、厳格かつ簡便な本人確認の手法として注目されています。
そこで、デジタル庁は2024年6月24日、さまざまな民間事業者や行政機関のWebサービスにマイナンバーカードを使った本人確認を組み込むことができる認証基盤として「デジタル認証アプリ」の提供を開始しました。
民間事業者からすれば、自らのWebサービスに自前でeKYCを組み込むのが本来の姿です。しかし、後述するようにJPKIをはじめとするeKYCを自社開発するのは非常にハードルが高いのも事実です。その点、デジタル認証アプリを活用することで、API連携によりeKYCを組み込むことができ、システム開発にかかるコストを抑えることができます。
デジタル庁は、このアプリを通じて官民連携を促進し、デジタル本人確認市場の拡大を目指しています。
アプリを使った本人確認の流れ
デジタル認証アプリには次のような活用シーンがあります。
ECサイトやネットバンキングでのログイン時の本人確認
公共施設やシェアリングサービスなどのオンライン予約
ライブ会場等で酒類を購入する時の年齢確認
地方自治体の公式アプリ登録時のオンライン本人確認
例えば、EC企業A社が自社ウェブサイトでJPKIによる本人確認を行いたいケースを考えてみましょう。A社は、既存の自社サイトとデジタル認証アプリをAPI連携させることで、自らJPKIのシステム開発をすることなく、JPKIの導入が可能になります。デジタル認証アプリに備えられている外部向けの認証APIまたは署名APIと自社ウェブサイトとを接続*するのです。
* 署名APIを利用する際は、プラットフォーム事業者(後述)を通して、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)への電子証明書の有効性確認と電子署名の検証を行う必要があります。
なお、ECサイト利用者が事前にスマートフォンにデジタル認証アプリをインストールし、利用登録を済ませている必要があります。
下図に、消費者(A社のECサイト利用者)からみた認証の流れを整理しています。
(出所:デジタル庁「デジタル認証アプリについて」)
ECサイトを利用中、JPKIによる本人確認が必要なステップになると、利用者は自身のスマートフォンで「マイナンバーカードで本人確認」ボタンをタップします(上図左端)。
すると、スマホはデジタル認証アプリの画面に切り替わり、生体認証などの端末の認証方法でログインします。その後、利用者証明用電子証明書の暗証番号(4桁の数字)を入力し(Webサービスによっては券面事項入力補助用の暗証番号=4桁の数字=の入力も必要)、マイナンバーカードをスマホ端末にかざして読み取らせます(上図左から2〜5番目)。
そして、認証を許可するボタンをタップすれば本人確認は完了です。利用中のサービスに戻れば、取引を再開できます。
累計認証件数は600万件を突破
デジタル認証アプリの利用件数は増加しています。デジタル庁によると、2026年4月末の時点で、同アプリを用いた本人確認や署名機能の本番環境での運用を開始した行政機関と民間事業者の件数(サービスイン数)は累計273件と、前月比14件増加しました。
また、デジタル認証アプリを通じて実行された認証件数は累計6,591,188件(前月比509,310件増)、署名件数は累計558,911件(前月比89,038件増)となりました。
・参照:デジタル認証アプリの利活用状況に関するダッシュボード(デジタル庁)
両アプリが統合し「マイナアプリ」へ
デジタル庁は2026年1月22日、マイナポータルアプリとデジタル認証アプリを26年夏頃に統合すると発表しました。マイナポータルアプリにデジタル認証アプリの機能が統合され、「マイナアプリ」として提供されます。
これにより1つのアプリでマイナンバーカードの本人確認を完結でき、アプリの切り替えが不要になるため、サービス利用者とサービス提供事業者(民間企業、行政機関)双方の利便性が大きく向上すると期待されます。

スマホのマイナンバーカードで本人確認可に
なお、現在デジタル認証アプリが提供している認証APIと署名APIは互換性が維持されるため、修正対応の必要はありません。むしろ、本人認証や電子署名のサービスに関しては、できることが増えます。
まず、デジタル認証アプリを利用しているサービスにおいて、マイナンバーカード実物だけでなく「iPhoneのマイナンバーカード」や「Androidスマホ用電子証明書」を使って認証と署名が可能になるのもポイントです。
次に、本人確認を実施した後、マイナンバーカード券面の顔写真データ(モノクロ)を取得することもできるようになります。
また、別の人のマイナンバーカードを使って、一時的にその別の人の本人確認をすることもできるようになります。例えば、親が自分のスマートフォンで子供のマイナンバーカードを使って本人確認手続きを行うような場面が想定されます。この際、親は自身のログアウトを行う必要はありません。
・参考:https://services.digital.go.jp/mynaapp/news/20260122-01/
マイナアプリの主な機能
他にもマイナアプリは次のような機能を有する予定です。
マイナアプリのアイコン(出所:デジタル庁)
マイナンバーカードでの本人確認、情報連携
行政機関や民間事業者が提供するサービスに対し、マイナンバーカード(スマートフォンのマイナンバーカードを含む)を使った認証や署名、氏名などの情報の連携ができます。現デジタル認証アプリの機能が引き継がれるということですね。
スマートフォンのマイナンバーカードの設定
マイナンバーカードの機能をスマホのなかに入れて持ち歩ける「iPhoneのマイナンバーカード」や「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス」の設定ができます。
※マイナンバーカードのスマホ搭載については下記記事で詳しく解説しています。
「iPhoneのマイナンバーカード」ついに提供開始|利活用ポイントは(2025年7月18日公開)
行政機関からのお知らせをプッシュ通知で受信
マイナポータルに届く、行政機関等からのお知らせをプッシュ通知で受け取ることができるようになります。生活にまつわる重要なお知らせを見逃すリスクが低減するでしょう。
パスポートの読み取り
パスポートの表面を撮影しICチップを読み取ることで、パスポートの申請に必要な情報を読み取ることができます。
・参照:マイナアプリ 主な機能(予定)= デジタル庁
マイナンバーカード活用ならポケットサイン
以上みてきたとおり、マイナポータルアプリとデジタル認証アプリが統合してローンチされる「マイナアプリ」は、私たちの生活を便利にし、行政サービスや企業サービスを円滑にする大きな可能性を秘めています。
民間事業者がマイナアプリを利用するには、引き続き認証APIと署名APIへの対応が必須となり、このうち「署名API」を活用するには、プラットフォーム事業者(PF事業者) *を通して、J-LISへの電子証明書の有効性確認と電子署名の検証を行う必要があります。
*プラットフォーム事業者(PF事業者):マイナンバーカード等の電子証明書の有効性確認機能を、民間事業者向けのサービスとして提供可能な民間事業者。公的個人認証法に基づき主務大臣の認定を受ける必要がある
当社は2023年3月に民間事業者としては16社目となるプラットフォーム事業者認定を取得しています。当社が提供している「PocketSign Verify」は、前述のとおりマイナンバーカードを活用したい事業者向けのAPIサービスで、デジタル認証アプリにも対応しています。またマイナンバーカードの券面事項の読み取りSDKなどにも対応済みです。

▶︎PocketSign Verifyの詳細はこちら:https://pocketsign.co.jp/product/verify
PocketSign Verifyの特徴
デジタル庁「デジタル認証アプリ」の署名APIに対応済み: 公的個人認証サービス(JPKI)を利用した、安全性の高い本人確認を実現
スムーズなユーザー体験: シンプルかつ分かりやすいAPI連携で、スムーズな本人確認を実現
柔軟なAPI連携: 既存システムとのスムーズな連携が可能
充実したサポート体制: 導入前の相談から運用開始後のサポートまで、手厚くサポート
また、PocketSign Verifyは、マイナンバーカードを使わずにスマートフォンのみで公的個人認証サービス(JPKI)を利用できる「スマホJPKI」への対応を完了しています。
・参考:PocketSign VerifyがiOSの「スマホJPKI」に対応(2025年6月24日付プレスリリース)
デジタル認証アプリをはじめ、マイナンバーカードの活用に際してはぜひ実績豊富な当社にご相談ください。
▼問い合わせはこちらから
https://pocketsign.co.jp/contact
▼ポケットサインについてはこちら
https://pocketsign.co.jp/
マイナンバーカードで、自社サービスの本人確認をより厳格に|資料配布中
本人確認の厳格化に向けた法改正が進むなか、鍵となるのが「公的個人認証」の活用です。
・不正申込・なりすましを防止したい
・自社サービスの本人確認をより厳格にしたい
・最新の公的個人認証の仕組みを知りたい
このような課題をお持ちの方は、ぜひ資料をご覧ください。
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マーケティングチーム
南 昇平
新聞記者、Saasスタートアップ広報を経て大手IT企業広報。マイナンバーカードやJPKIに関するニュースを分かりやすくお伝えします。








